毛は哺乳類に共通した特徴で、私たちの体を守るために様々な役割を担っています。
では詳しくみていきましょう。
まず、体表の保護です。肌を覆うことで、寒いときは断熱材として体表からの放熱を抑え、暑いときは皮膚が熱くなりすぎないように守ります。さらに、紫外線からも肌を守る効果があります。また、クッションとして、外部との摩擦や衝撃を軽減し、怪我から身を守ります。
次に、異物の侵入を防ぎます。ごみやほこりなどが体内に入り込まないよう、入り口でブロックするのです。
さらにセンサーとしての機能です。毛包が神経の末端をまとっているので、毛で感じ取った刺激は脳に伝えられます。些細な接触刺激にも敏感に反応できるようになっているのです。
そして、異性をひきつけるにおいを発します。アポクリン腺とよばれる汗腺の一つで、生殖機能に関連した部位の毛包組織に存在している分泌腺があります。ここからフェロモン効果を持つにおいをはじめ、様々な物質が分泌されています。
また、体内に入り込んだ有害物質を対外へ排出するという機能もあるといわれています。
このように、体を守るということに関してはムダな毛なんてないんですね。毛が生えているのには理由があるのです。脱毛することはこれらの機能を放棄することになりますが、人間はその役割のほとんどを他のもので補えるようになりました。脱毛が発展したのには、このことも、大きく関わっているのではないでしょうか。
毛の働きについて
2017年7月27日